デューデリジェンス(DD)は、買い手が「本当にこの値段で買っていいか」を確かめる作業です。しかし実務で起きているのは、その逆の光景です。売り手側がDDで初めて自院の問題を知り、価格を下げられ、時には破談になる。
DDで出てくる問題の大半は、突然発生したものではありません。何年も前からそこにあったのに、誰も棚卸ししていなかっただけです。
ならば、順番を入れ替えればいい。買い手にやられる前に、自分でDDをやる。 これが、承継を有利に進めるいちばん確実な方法です。
DDで価格が動く「三大地雷」
膨大な項目のなかで、実際に数千万円〜数億円を動かすのは、ほぼこの3つに集約されます。
- 未払残業代(労務DD) タイムカードと給与台帳が一致しない、宿日直許可がない、変形労働時間制の要件を満たしていない。過去分をさかのぼって計上すると、中規模病院でも億単位になり得ます。
- 退職給付債務の引当不足(財務DD) 規程上の支給義務に対して、引当が不足している。全職員分を積み直した瞬間に純資産が消えることがあります。
- 施設基準の維持リスク(医事DD) 看護配置や専従・専任要件が、届出時点の体制で維持できていない。買い手にとっては「買った翌月に減収する」リスクそのものです。
この3つは、買い手のDD担当者が最初に手を付ける場所です。裏を返せば、ここを事前に整理しておくだけで、交渉の景色が変わります。
以下、6分野120項目のチェックリストを公開します。資料依頼リストとしてそのままお使いください。