病院の立て直しは、着任してからの最初の100日で8割が決まります。理由は単純で、この期間だけは「新任者だから」という理由で、あらゆる質問が許され、あらゆる資料が出てくるからです。

100日を過ぎると、あなたは「中の人」になります。過去の意思決定に対する責任を共有した立場になり、問いを立てる自由が急速に失われます。

だからこそ、100日は設計された順序で使い切る必要があります。行き当たりばったりで現場を回っていると、気づけば3か月が過ぎ、何も決まっていない、という状態になります。

100日を4つのフェーズに割る

フェーズ 期間 目的 終了時の成果物
Phase 1 掌握 Day 1〜14 事実を集める。判断しない 現状把握メモ(数字と論点)
Phase 2 分析 Day 15〜45 赤字の構造を特定する 損益構造の分解と、資金の見通し
Phase 3 決定 Day 46〜75 打ち手を絞り、順序を決める 改善計画(数値目標・期限・責任者)
Phase 4 着手 Day 76〜100 組織に伝え、動かし始める 全職員への発表と、最初の実行

多くの再建が失敗するのは、Phase 1と2を飛ばして、いきなりPhase 4(宣言と着手)から入るからです。「コスト削減を断行します」と着任1週間で言った瞬間に、現場の情報は止まります。