経営が厳しくなった病院で、最初に作るべき表は損益計算書ではありません。13週の資金繰り表です。

理由は単純です。病院が倒れるのは赤字だからではなく、支払いができなくなったときだからです。赤字でも現金が回っていれば時間は買えます。黒字でも現金が尽きれば、その日で終わります。

そして13週(約3か月)という期間には意味があります。

  • 診療報酬の入金サイクル(診療月の翌々月)を2回またぐ
  • 金融機関との協議に必要な最低限の準備期間が確保できる
  • 賞与・納税など、大きな支払いの山を1つは捉えられる

月次の資金繰り表では粗すぎ、日次では続きません。週次で13週分が、実務上もっとも機能する粒度です。

まず知っておくべき、病院の資金の特殊性

一般企業と決定的に違うのが、収入の8割前後が「診療報酬」という、タイミングが固定された入金である点です。

  • 4月に診療した分 → 5月10日までにレセプト請求 → 6月に入金
  • つまり、診療から入金まで約2か月のタイムラグがある

このため、患者数が減った影響は、2か月遅れて資金に効いてきます。逆に、改善の効果も2か月遅れます。この時差を織り込まずに資金繰りを見ていると、「気づいたときには手遅れ」という事態になります。