3行結論

  • 令和8年度診療報酬改定の**疑義解釈(その13)**が令和8年9月25日に発出された
  • 一般不妊治療管理料等の施設基準「国が示す協力事業」の具体的内容が初めて明確化された
  • 特別の関係にある訪問看護ステーションによる包括型訪問看護療養費は算定不可と明示

疑義解釈(その13)の概要

厚生労働省保険局医療課は令和8年9月25日付の事務連絡で、令和8年度診療報酬改定に係る疑義解釈資料(その13)を発出しました。今回は**医科(別添1)と訪問看護療養費(別添2)**の2区分にまたがる合計2問で構成されており、いずれも在宅・生殖医療領域に関わる施設基準の運用整理が主な内容です。

これまでに発出された疑義解釈はその12まで公開されており、今回のその13は施行から約4か月が経過した時点での追加整理となります。

一般不妊治療管理料:「協力事業」の具体的内容が明確化(医科・問1)

診療報酬点数表「B001」の「32」一般不妊治療管理料、「33」生殖補助医療管理料、および「K838-2」精巣内精子採取術の施設基準には、「国が示す不妊症に係る医療機関の情報提供に関する事業に協力すること」という要件が設けられています。

今回の疑義解釈では、この「事業」が具体的に何を指すのかが初めて明示されました。

答えとして示されたのは、令和8年9月3日にこども家庭庁成育局母子保健課が発出した事務連絡「不妊症に係る医療機関の情報提供に関する協力依頼について」が示す事業です。施設基準として必要な「協力」の内容は、こども家庭庁が依頼する情報提供事業への参加・協力であることが確認されました。

なお、これに伴い、前改定時に発出された「疑義解釈資料の送付について(その29)」(令和7年9月16日)の別添 問4は廃止となります。

不妊治療を提供している医療機関は、こども家庭庁の当該事務連絡の内容を改めて確認し、施設基準の充足状況を担当部署で点検しておくことが求められます。

包括型訪問看護療養費:特別関係ステーションは算定不可(訪問看護・問1)

訪問看護療養費の取扱いに関するQ&Aとして、特別の関係にある訪問看護ステーションが包括型訪問看護療養費を算定できるかどうかが問われました。

問の前提となる通知(令和8年3月5日保発0305第19号)では、訪問看護ステーションと特別の関係にある医療機関が同日に以下のいずれかを算定した場合、当該訪問看護ステーションは訪問看護療養費を算定できないと規定されています:往診料、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)・(Ⅱ)、在宅がん医療総合診療料、在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者訪問栄養食事指導料。

今回の疑義解釈の回答は「算定不可」の一言です。通常の訪問看護療養費と同様の算定制限が、令和8年度改定で新設された包括型にも適用されることが明確になりました。

病院が訪問看護ステーションを関連法人として運営している場合や、特別の関係にある訪問看護ステーションと連携している場合は、同日算定の可否を改めて確認しておくことが重要です。

自院で確認したいこと

  • 不妊治療を提供している医療機関:一般不妊治療管理料・生殖補助医療管理料・精巣内精子採取術の施設基準における「協力事業」の充足確認が必要です。こども家庭庁(令和8年9月3日付事務連絡)が依頼している情報提供事業の内容を担当部署で確認してください。
  • 訪問看護ステーションと特別の関係にある医療機関:在宅系の診療報酬を算定した同日に、当該ステーションが包括型訪問看護療養費を請求していないか。請求システムや事務フローを点検してください。
  • 算定可否の最終判断は「算定候補」として捉え、地方厚生局への確認をもって確定させることをお勧めします。