3行結論
- 令和8年7月30日、令和8年度改定の**疑義解釈(その11)**が厚生労働省より発出(医科7問・ベースアップ関係10問・歯科1問)
- ベースアップ評価料の8月報告(令和7年度実績報告書+令和8年度中間報告書)の提出期限は8月末(管轄地方厚生局の指定日)
- 看護・多職種協働加算の対象職員数は「1か月以内・1割以内の一時的変動」なら届出変更不要と明確化
疑義解釈(その11)の概要
令和8年7月30日、厚生労働省保険局医療課より「疑義解釈資料の送付について(その11)」が発出されました。A4換算で11ページ、医科7問・看護職員処遇改善評価料およびベースアップ評価料関係10問・歯科1問が収録されています。
令和8年6月1日の施行から約2か月が経過し、現場から寄せられた実務上の疑問への回答が整理された内容です。中でも、病院経営に直結するベースアップ評価料と、令和8年度新設の看護・多職種協働加算に関する解釈が注目されます。
ベースアップ評価料 — 8月末までに実績・中間両報告の提出が必要
最も実務上の影響が大きいのが、ベースアップ評価料の8月定例報告に関する取扱いです。疑義解釈(その11)では複数のQ&Aが示されましたが、実務対応として特に確認が必要なポイントを整理します。
①毎年8月の報告書提出の内容
令和8年度改定後の8月報告では、継続算定している医療機関は次の2種類を提出します。
- 令和7年度分の実績報告書(前年度の賃金改善の結果)
- 令和8年度分の中間報告書(当年度の取組状況)
令和8年度から新規に算定を開始した場合は中間報告書のみです。提出様式は様式100(Excelファイル)、提出先は管轄地方厚生局の専用メールアドレスです。提出期限は管轄厚生局の指定日(前年度は8月29日)ですので、自院の管轄厚生局の案内を必ず確認してください。
②対象職員数がゼロになった場合は速やかに届出変更が必要
対象職員が一時的にではなく実質的にゼロになった場合、速やかに届出変更を行い翌月から算定を停止する取扱いが改めて示されました。算定対象職員の異動・退職が重なった際は、実態との乖離が生じないよう注意が必要です。
③令和8年度から拡大した対象職員範囲
令和8年度改定でベースアップ評価料の対象職員範囲が拡大されており、40歳未満の医師・事務職員が新たに含まれています。報告書作成の際は、自院の対象職員の定義が改定後の要件に合致しているかを改めて確認してください。
看護・多職種協働加算 — 小幅な人員変動は届出不要
令和8年度改定で新設・拡充された看護・多職種協働加算については、人員配置要件を満たすための施設基準の届出管理に関するQ&Aが示されました。
疑義解釈(その11)問2では、次の取扱いが明確化されています。
- 歴月で1か月を超えない期間の1割以内の一時的変動であれば、その都度届出変更は不要
育休・産休の取得、一時的な欠員など、小規模な人員変動が生じるたびに届出変更を行う必要はありません。ただし、変動が1か月を超えて継続する場合や1割を超える規模の変動が生じた場合は、届出変更が必要になります。自院の人員変動記録を定期的に点検し、閾値を超える前に対応できる体制を整えてください。
療養・就労両立支援指導料 — 患者からの文書受取が算定の起点
療養・就労両立支援指導料については、算定の端緒となる「文書の受取」に関する取扱いが問6で明確化されました。
- 算定要件は患者と事業者が自発的に共同して作成した勤務情報を記載した文書を患者から受け取ることが前提
- 医療機関側から問い合わせて回答をもらった場合は要件を満たさない
支援の起点はあくまで「患者からの文書受取」であり、医療機関主導での情報収集では算定要件を満たさないことが明確になりました。算定候補として検討している場合は、患者・事業者間で文書が作成される流れを確認しておく必要があります。最終的な算定可否の判断は、地方厚生局へご確認ください。
自院で確認したいこと
- ベースアップ評価料の8月報告:管轄地方厚生局の専用メールアドレスと提出期限(8月末)を今すぐ確認する
- 継続算定中の場合、令和7年度実績報告書と令和8年度中間報告書の両方を様式100で準備できているか確認する
- 令和8年度から対象に加わった40歳未満の医師・事務職員が報告書の対象職員に含まれているか確認する
- 看護・多職種協働加算を算定中の場合、直近の人員変動が1か月・1割の閾値を超えていないかを記録で確認する
- 療養・就労両立支援指導料の算定を検討している場合、患者からの文書受取フローが整備されているかを確認する
- 算定可否・届出要件の最終確認は地方厚生局へ