3行結論
- 令和8年7月17日、令和8年度改定の**疑義解釈(その10)**が厚生労働省より発出されました
- リハビリ・栄養・口腔連携体制加算については、施設基準の適合性を確認する「調査日」の考え方が明確化されました
- 院内掲示事項のデジタルサイネージ対応も認められましたが、紙媒体の備付が条件とされています
疑義解釈(その10)の発出背景
令和8年6月1日の本格施行以降、令和8年度診療報酬改定では実務上の疑義が次々と寄せられており、厚生労働省は随時「疑義解釈資料」を発出しています。7月17日付のその10は、施行後約1か月半が経過した時点での解釈集であり、新設・拡充された加算の施設基準に関する実務上のQ&Aが中心です。
以下、主要なポイントを整理します。
リハビリ・栄養・口腔連携体制加算 — 「調査日」の考え方
令和8年度改定で見直されたリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算等については、施設基準として一定の患者割合要件(褥瘡保有患者割合など)の継続的な充足が求められます。
疑義解釈(その10)では、この割合を確認する「調査日」について次の取扱いが示されました。
- 調査日は「届出月及び施設基準等の適合性を確認し、その結果について報告する月の前月の初日」とする
毎月継続的に確認するのではなく、特定の調査日を基準として算定要件の充足を確認する仕組みです。自院で当該加算の算定を行っている場合は、調査日の設定方法と記録の保管状況を実際の運用に照らして再確認してください。算定可否の最終判断は施設の届出状況・診療内容に基づくものであり、最終確認は地方厚生局へ行うことをお勧めします。
診療情報提供料(Ⅰ)— 摘要欄記載の取扱い
診療情報提供料(Ⅰ)についても疑義解釈(その10)でQ&Aが示されました。令和8年度改定後、レセプト(診療報酬明細書)の摘要欄への情報提供先記載が求められる場面がありますが、その解釈は次のとおりです。
- 摘要欄への記載がない場合であっても、算定要件を満たしていれば診療情報提供料(Ⅰ)の算定は可能
記載がなければ一律に算定不可とはならないという柔軟な取扱いが確認されました。ただし、審査支払機関や地方厚生局の判断によって異なる場合がありますので、最終確認は地方厚生局へ行ってください。
包括型訪問看護療養費 — 新規開設時の研修要件
包括型訪問看護療養費に係る施設基準として、新規開設時の職員研修に関する取扱いが示されました。
- 新規開設の場合、職員研修は「届出後3か月以内に実施する予定」があれば施設基準の届出が可能
- ただし、届出後1か月以内に実施することが要件とされており、3か月時点で未実施の場合は届出の取り下げが必要
新規に包括型訪問看護を開設する場合には、研修スケジュールを届出前から具体的に計画しておくことが重要です。届出後に研修が遅延すると取り下げが必要になるため、施設・講師の確保を先行させてください。
院内掲示事項 — デジタルサイネージの活用が認められる
今回の疑義解釈(その10)の中で、現場の実務負担軽減につながりうる点として注目したいのが掲示事項のデジタル対応です。
- 電子的表示(デジタルサイネージ等)による掲示を認めることが示されました
- ただし、紙媒体の備付(患者等が閲覧できる状態での保管)が条件とされています
デジタルサイネージのみで掲示要件を完結させることは現時点では認められておらず、紙との併用が必要です。電子化を検討する場合は、この条件を確認したうえで対応方針を決めてください。
自院で確認したいこと
- リハビリ・栄養・口腔連携体制加算を算定中の場合、調査日の設定方法と記録の保管状況を確認する
- 診療情報提供料(Ⅰ)のレセプト摘要欄記載について、自院の運用と疑義解釈の取扱いに乖離がないか確認する
- 訪問看護の新規開設を予定している場合、研修実施スケジュールが届出後1か月以内に収まるかを計画段階で確認する
- 院内掲示をデジタルサイネージへ移行する際は、紙媒体の備付が継続されているか確認する
- 疑義解釈はその10以降も追加発出される可能性があります。最新情報は厚生労働省の公式ページで随時確認してください
- 算定可否・届出要件の最終確認は地方厚生局へ