3行結論

  • 令和8年6月24日の第651回中医協総会で、令和10年度(2028年度)診療報酬改定に向けた**入院・外来医療等の調査項目(8項目)**が了承された
  • 令和8・9年度の2か年をかけて調査を実施し、急性期から慢性期・外来・賃上げまで幅広い診療実態を把握する設計
  • 令和8年度改定で新設・見直しされた加算(看護・多職種協働加算、リハビリ・栄養・口腔連携体制加算等)の届出状況や実態も調査対象となっており、今の算定体制が次の改定議論の根拠データになる

調査の位置づけ

診療報酬は2年ごとに改定されますが、次の改定のための「実態把握」は前の改定が終わった直後から始まります。今回承認されたのは令和10年度(2028年度)改定に向けた調査の枠組みです。

令和8年6月24日に開催された第651回中医協総会で、調査専門組織(入院・外来医療等の調査・評価分科会)が調査項目案を報告し、正式に了承されました。令和8年度と令和9年度の2か年にわたる調査として実施される予定です。

8つの調査項目

了承された調査の主要項目は以下の8つです。

  1. 急性期入院医療(救急医療・DPC制度を含む)
  2. 高度急性期入院医療(特定集中治療室管理料等)
  3. 包括期入院医療(地域包括医療病棟入院料・地域包括ケア病棟入院料・回復期リハビリテーション病棟入院料等)
  4. 慢性期入院医療
  5. 入院医療に関する共通事項
  6. 外来医療
  7. 賃上げ
  8. 医療資源の少ない地域における保険医療機関の実態

病棟別・テーマ別の注目ポイント

包括期(回復期リハビリテーション病棟等)

包括期では、令和8年度改定で見直しが行われたリハビリ関連項目の実態把握が中心に据えられています。具体的には早期リハビリテーション・退院時訪問指導・院外リハビリテーション・排尿自立支援の実施状況が調査対象として挙げられています。

回復期リハビリテーション病棟は実績指数を中心に管理指標が厳格化されてきた経緯があります。この調査での実態データが、令和10年度改定での評価水準見直しに反映される可能性があります。

入院医療に関する共通事項

全病棟共通の調査項目としては以下が挙げられています。

  • 看護・多職種協働加算の届出状況(令和8年度改定で新設)
  • リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の見直しに伴う影響
  • 病棟各部門における職種ごとの体制把握

看護・多職種協働加算は令和8年度改定で新設されましたが、届出状況や実際の運用の実態が次の改定の議論の前提となります。届出していない施設が多ければ「要件が厳しすぎる」とみなされる可能性があり、届出が進んでいれば「算定の裾野が広い」と評価されます。

賃上げ

令和8年度改定でベースアップ評価料が大幅に拡充されましたが、その実際の活用状況・賃上げの達成状況が調査される見込みです。賃上げの実態が伴っていない場合には、令和10年度改定での見直しにつながる可能性があります。

自院で確認したいこと

  • 令和8年度改定で新設・拡充された加算(看護・多職種協働加算、リハビリ・栄養・口腔連携体制加算等)について、届出状況と実際の運用実態を改めて確認しておく
  • 回復期リハビリテーション病棟を届け出ている施設は、実績指数・早期リハ・排尿自立支援の実施状況を月次で把握し、調査依頼に備えておく
  • ベースアップ評価料を届け出ている施設は、賃上げの実績記録を適切に管理する
  • 今回の調査結果が令和10年度改定の議論に直結するため、自院の取組みを定量的に示せる体制を今から整える価値がある。算定可否の最終確認は管轄の地方厚生局へ行ってください