3行結論

  • 令和8年9月25日、かかりつけ医機能の情報が**医療情報ネット(ナビイ)**で公開開始された
  • 患者は「かかりつけ医機能」を検索条件として地域の医療機関を比較・選択できるようになった
  • 医療機関は自施設の報告内容が患者の受診行動に直接影響するため、登録内容の確認が急務

かかりつけ医機能報告制度の経緯

「かかりつけ医機能報告制度」は、令和6年に改正された医療法に基づき令和7年(2025年)4月に施行されました。病院・診療所が都道府県に対し、日常的な診療・時間外対応・在宅対応・連携機能などを報告する制度で、患者が受診先を選ぶ際の情報提供を目的としています。

令和8年1月〜3月が初回の報告期間となりました。厚生労働省が令和8年8月17日時点の状況として公表した数字では、対象医療機関の報告率は**80.9%**に達しています。

その後、都道府県による確認・整理を経て、令和8年9月25日からナビイでの公開が開始されました。この公開開始は医政局地域医療計画課外来・在宅医療対策室が所管しています。

ナビイでの検索方法と公開内容

医療情報ネット(ナビイ)のトップページに「かかりつけ医機能」ボタンが設置され、患者はこのボタンから機能別に医療機関を検索できます。

公開される情報は、各医療機関がかかりつけ医機能報告制度で都道府県に報告した内容に基づきます。報告項目には、平日・土日の診療時間や時間外対応体制、慢性疾患の継続的な診療対応の可否、在宅医療への対応状況、他の医療機関への紹介・逆紹介など連携機能の状況などが含まれます。

患者は地域・診療科目に加えて「どのような機能を持つ医療機関か」を条件に絞り込めるようになりました。これはこれまでの検索と比べ、患者による医療機関選択の精度と主体性を大きく変えるものです。

医療機関の経営への影響

患者の選択行動が変わる

従来、患者は「近い」「専門科がある」「口コミが良い」といった情報で受診先を選ぶことが多くありました。かかりつけ医機能が検索条件になることで、「時間外対応できる」「在宅医療に対応している」「専門医へ紹介してもらえる」といった機能的な条件が選択基準に加わります。

報告内容が集患に直結する

ナビイに掲載される情報は自院が都道府県に報告した内容です。実際には機能を持っていても報告内容が不十分であれば、ナビイ上での表示に反映されず機会損失につながる可能性があります。逆に報告内容が実態を超えている場合は、患者との間でミスマッチが生じるリスクがあります。

未報告施設はナビイに表示されない

報告率80.9%という数字は、約2割の医療機関の情報がナビイに掲載されていない状態であることを意味します。特に休廃業・解散が相次ぐ環境下では、ナビイへの掲載有無が施設の認知度に影響する場面が増えることが考えられます。

地域医療構想との連動

かかりつけ医機能の情報公開は、新たな地域医療構想(令和8年度から各都道府県で策定開始)が目指す「医療機関機能の見える化」とも方向性が一致します。在宅医療対応や連携機能の充実度が可視化されることで、地域内での機能分担の議論にも活用される可能性があります。

自院で確認したいこと