3行結論
- 厚生労働省が令和8年9月4日に公表した令和8年度の臨床研修医採用実績は9,054人で、前年度(9,429人)から375人(約4%)減少
- 対象となった臨床研修病院は全国1,028か所。大都市6都府県(東京・神奈川・愛知・京都・大阪・福岡)以外の41道県での採用割合は60.6%(前年度60.9%)とわずかに低下
- 研修医総数の減少と地方での採用割合の低下が重なり、地方の臨床研修病院は研修環境・処遇・キャリア支援の面で採用競争力を高める対応が求められています
令和8年度採用実績の概要
厚生労働省は令和8年9月4日、全国の臨床研修病院(1,028か所)を対象とした令和8年度の臨床研修医採用実績を公表しました。
令和8年度の採用人数は9,054人となり、前年度の9,429人から375人減少しました。採用人数の減少傾向は、医学部入学者数の推移や専門医制度との接続など複数の構造的要因と連動しています。
地域分布では、大都市部の6都府県(東京都・神奈川県・愛知県・京都府・大阪府・福岡県)を除く**41道県での採用割合は60.6%**でした。前年度(60.9%)からわずかに低下しており、大都市集中の傾向が継続していることを示しています。
研修医減少が地方病院に与える影響
臨床研修医は、初期研修終了後の専攻医・後期研修医として継続雇用される可能性があるため、将来の医師確保という観点でも重要な存在です。
全体の採用人数が減少する中で、地方病院が採用候補者から選ばれるためには、指導体制・研修の質・生活環境・処遇(給与・当直体制)といった多角的な要素で差別化を図ることが求められます。
令和8年度診療報酬改定で注目される医師の働き方改革対応(時間外労働上限の遵守、代償休暇の取得など)も、研修医・専攻医が研修先を選ぶ際の判断材料の一つになっています。研修医の採用実績を確保し続けるためには、改定対応と研修環境整備を一体的に進める視点が重要です。
令和8年度の診療報酬改定との関係
令和8年度改定では、医師の処遇改善を目的としたベースアップ評価料の対象拡大(40歳未満の医師の追加)が実施されており、研修医を雇用する臨床研修病院もその対象となり得ます。
算定候補として自院のベースアップ評価料の届出状況と対象職員範囲を確認することは、研修医の処遇改善と採用競争力の両面に寄与する取組みといえます。算定の要件・可否は、管轄の地方厚生局に確認することをお勧めします。
自院で確認したいこと
- 令和8年度に採用した臨床研修医数が前年度と比較してどう推移しているかを記録・把握しているか
- マッチング結果や採用活動の実績を基に、自院の採用競争力の強みと課題を整理しているか
- ベースアップ評価料(40歳未満医師対象)の算定対象として研修医が含まれているか確認する
- 研修プログラムの内容・指導体制が最新の基準に沿って更新されているかを点検する
- 来年度のマッチングに向けた研修病院PRの準備(見学受入れ体制・採用情報ページの更新など)を早期に着手する
- 臨床研修病院の基準・届出要件の最終確認は地方厚生局または厚生労働省医政局医事課へ