3行結論

  • 令和8年9月2日、令和8年度診療報酬改定の**疑義解釈(その12)**が厚生労働省より発出(医科5問・ベースアップ関連1問)
  • 心不全再入院予防継続管理料の院内・地域連携研修は対面が原則だが、やむを得ない事情がある場合は要件を満たしたオンライン実施も認められると明確化
  • 電子的診療情報連携体制整備加算はマイナ保険証利用率要件を満たさない月は「当然算定不可」、生活習慣病管理料連携加算は眼科・歯科への定期的情報提供を継続することで年1回の算定が可能と整理

疑義解釈(その12)の概要

令和8年9月2日、厚生労働省保険局医療課より「疑義解釈資料の送付について(その12)」が発出されました。令和8年6月1日の施行から3か月を経て発出された今回の疑義解釈は、医科5問・ベースアップ評価料関連1問で構成されています。

令和8年度改定では「心不全再入院予防継続管理料」「電子的診療情報連携体制整備加算(旧医療DX推進体制整備加算)」「生活習慣病管理料連携加算」など、病院・診療所の経営や体制に直結する新設・見直し項目が多く、今回の疑義解釈でもこれらの実務解釈が示されました。

心不全再入院予防継続管理料 — 研修のオンライン実施は例外として可

令和8年度改定で新設された心不全再入院予防継続管理料に関連して、施設基準で求められる研修の実施方法が明確化されました。

研修は対面での実施が原則とされています。一方、疑義解釈(その12)では次の条件を満たす場合に限り、例外的にオンライン会議システムの利用が認められると示されました。

  • すでに地域連携が適切に行われている実績がある
  • 参加者にやむを得ない事情があり対面参加が困難

オンラインで実施する場合は、カメラをオンにした状態での出席確認、ランダムなスクリーンショットによる確認、チャットやブレイクアウトルームを活用した双方向性の担保、確認テストによる理解度検証など、対面と同等の参加実態を確保する運営が求められます。

心不全再入院予防継続管理料の算定を検討・実施している病院は、研修記録に実施形式(対面・オンライン)と、オンラインの場合はやむを得ない理由を記録しておくことが算定上の安全策となります。最終的な算定可否の判断は地方厚生局へご確認ください。

電子的診療情報連携体制整備加算 — 利用率要件未達の月は算定不可

令和8年度改定で医療DX推進体制整備加算を再編して設けられた電子的診療情報連携体制整備加算について、マイナ保険証利用率要件に関する解釈が示されました。

疑義解釈(その12)では、施設基準に規定されたマイナ保険証利用率の要件を満たさない月については「当然算定不可」という取扱いが明確にされています。

この加算は毎月の届出ではなく、一定の施設基準を届け出て算定する方式です。利用率要件は月単位でモニタリングする必要があり、要件を下回る月が生じた場合には算定を停止する対応が必要となります。自院のマイナ保険証利用率を月次で確認できる体制が整っているかを点検する必要があります。算定可否の最終確認は地方厚生局へ。

生活習慣病管理料連携加算 — 眼科・歯科への情報提供継続が要件

生活習慣病管理料連携加算については、算定継続要件の解釈が今回の疑義解釈(その12)で整理されました。

眼科・歯科に対して定期的に情報提供を行い、その記録が継続していることを条件に、年1回の継続算定が認められると示されています。単なる1回限りの情報提供ではなく、「定期的な情報提供を継続」していることが要件の核心です。

この加算を算定中の医療機関は、眼科・歯科への情報提供の記録と頻度が途切れていないかを確認するとともに、算定の際に記録が適切に残っているかを点検してください。

その他の主なQ&A

身体的拘束最小化推進体制加算については、一時的に施設基準を満たせなくなった場合の救済措置の適用が示されています。

リハビリ総合計画評価料では、同一患者に対して再度算定する場合は「2回目以降」として扱う取扱いが明確化されました。

検査料については、健康診断と保険診療を同一日に実施する場合のルールが整理されています。

在宅医療・訪問看護分野では、業務継続計画(BCP)策定に関する要件と届出様式の取扱いが明確化されました。

自院で確認したいこと

  • 心不全再入院予防継続管理料を算定中の場合、研修の実施形式(対面・オンライン)と開催記録が揃っているか確認する
  • 電子的診療情報連携体制整備加算を届け出ている場合、直近月のマイナ保険証利用率が施設基準の要件を満たしているかを月次で確認する体制を整える
  • 生活習慣病管理料連携加算を算定中の場合、眼科・歯科への情報提供記録が継続的に作成されているかを確認する
  • 身体的拘束最小化推進体制加算を算定中で一時的に基準未達が生じている場合、救済措置の要件に該当するかを確認する
  • 今回の疑義解釈(その12)の原文は、厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」ページから入手できる
  • 個別の算定可否・届出要件の最終確認は必ず地方厚生局