3行結論
- 帝国データバンクの調査(2026年1月23日発表)で、2025年の医療機関の倒産は66件、休廃業・解散は823件となり、いずれも過去最多を更新しました
- 倒産の内訳は病院13件・診療所28件・歯科医院25件。休廃業・解散は病院15件・診療所661件・歯科医院147件と報じられています
- 民間病院約900法人のうち営業損益が赤字の法人は61.0%(前年54.8%)に上昇。令和8年度の3%超改定が収益改善にどこまで効くかが焦点です
倒産・休廃業ともに過去最多を更新
帝国データバンクが2026年1月23日に公表した調査によると、2025年の医療機関(病院・診療所・歯科医院)の倒産は66件で、2024年の64件を上回り過去最多を更新しました。休廃業・解散も823件と、2024年の723件から大きく増え、こちらも過去最多です。
倒産の業態別内訳は、病院13件・診療所28件・歯科医院25件。休廃業・解散は、病院15件・診療所661件・歯科医院147件と報じられています。件数の絶対数では診療所・歯科が多い一方、病院という規模の大きい経営体でも倒産・休廃業が生じている点は、地域医療への影響という意味でも見過ごせません。
倒産の主因は「収入の減少」
倒産の原因としては、「収入の減少(販売不振)」が48件(構成比72.7%)で最多と報じられています。物価高・光熱費・食材費(給食費)の高騰、人材採用費の増大、賃上げ対応といったコスト上昇が続くなかで、収入がそれに追いつかない構図が背景にあると指摘されています。
経営体力を示す指標としても、民間病院約900法人のうち営業損益が赤字の法人は61.0%と、前年の54.8%から上昇しています。本業である医療活動の利益段階で赤字となる病院が過半を大きく超えている状況です。
令和8年度の3%超改定は転機になるか
こうした状況を受けて、2026年も医療機関の倒産・休廃業は高水準で推移する可能性が指摘されています。一方で、令和8年度(2026年度)診療報酬改定は本体プラス3.09%と30年ぶりの3%超となり、賃上げ・物価対応が改定の中核に据えられました。改定による収益改善が、こうした経営悪化の流れをどこまで押し戻せるかが、今後の焦点となります。
ただし、改定はあくまで「原資」であり、届出・体制整備を通じて実際に取り切れるかが病院ごとの分かれ目になります。加算の取り漏れは、そのまま改定効果の取りこぼしにつながります。
自院で確認したいこと
- 直近の**営業損益(本業段階の黒字/赤字)**を把握し、コスト上昇分の推移を分解する
- 賃上げ・物価対応に対応する新設加算・引き上げについて、自院が算定候補のものを取り切れているかを点検する
- 光熱費・食材費・人材採用費など、コスト側で圧縮・見直しできる余地を洗い出す
- 統計上の全国傾向と自院の位置づけを比べ、経営改善の優先順位を整理する
本記事の数値は帝国データバンクの公表資料に基づく全国傾向です。自院の経営判断にあたっては、個別の財務状況と地域事情を踏まえてご検討ください。