3行結論

  • 従来の紙の健康保険証で期限切れのものでも当面は受診できるとされてきた暫定的対応が、2026年7月末をもって終了する方針が厚労省の事務連絡で示されました
  • 8月以降は、期限切れの保険証を持参しても保険証としては扱われず、マイナ保険証(利用登録済みのマイナンバーカード)または資格確認書が窓口確認の基本になります
  • 確認手段がないといったん全額自費となる可能性があるため、外来の多い病院ほど、受付フローと患者向け案内の見直しを7月中に済ませておくことが安全です

背景 — 紙の保険証は経過措置を経て期限切れに

紙(従来型)の健康保険証は新規発行が終了し、経過措置を経て有効期限を迎える設計になっていました。WIC-NET(厚生政策情報センター)の報道によれば、従来の紙の健康保険証は2025年12月に有効期限を迎え、それ以降、医療機関・薬局の窓口での資格確認はマイナ保険証による運用が基本となったとされています。

もっとも、患者が誤って期限切れの保険証を持参するケースは十分に想定されます。そこで、現場の混乱を避けるための暫定的対応として、期限切れの保険証を持参した場合でも当面は受診できる取扱いが続けられてきました。今回、この暫定的対応に区切りが付けられる、というのが今回のニュースの要点です。

何が決まったのか — 7月末で暫定対応を終了

全国保険医団体連合会の情報によれば、厚労省は2026年6月18日の社会保障審議会・医療保険部会で、この暫定措置を今年7月末に終了することを報告したとされています。さらにWIC-NETの報道では、厚労省は7月1日付で日本医師会や病院団体などに事務連絡を行い、7月末の期限をもって終了する方針を示したと伝えられています。

8月以降の窓口対応として押さえておきたいのは、次の点です。

  • 期限切れの保険証は保険証として扱われず、マイナ保険証または資格確認書が資格確認の基本となる
  • これらの提示がないと保険資格の確認が困難となり、全額自費となる可能性がある(後日の手続きは各保険者・医療機関の運用による)
  • 「資格情報のお知らせ」のみでの受診対応も認められない、とされている

なお、患者への周知は、期限を明記したリーフレットや保険者・医療機関・薬局などを通じて行われると報じられています。

資格確認書という代替手段

マイナ保険証を持たない、あるいは利用登録をしていない患者に対しては、資格確認書が代替手段として用意されています。HRマネジメントの解説によれば、資格確認書は保険者が交付するもので、有効期限は保険者が設定(最長5年以内)し、医療機関・薬局の窓口で従来の保険証と同様に使用できるとされています。

窓口実務としては、「マイナ保険証がない=受診できない」ではなく、「マイナ保険証がなければ資格確認書で確認する」という二段構えを、受付スタッフ全員が共有しておくことが重要です。特に高齢の患者や、配慮が必要な患者ほど、期限切れの紙の保険証を持参する可能性が残ります。案内の仕方をあらかじめ決めておくと、8月以降の窓口の混乱を抑えられます。

自院で確認したいこと

  • 受付・医事のスタッフ向けに、8月以降の資格確認フロー(マイナ保険証 → 資格確認書 → いずれもなければの対応)を文書化し、共有する
  • 期限切れ保険証を持参した患者への声かけ・案内文を用意する(資格確認書の取得方法は各保険者へ、という導線を含める)
  • 全額自費となった場合の後日精算・再請求の院内ルールを、8月を迎える前に整理しておく
  • 制度・運用の最終的な取扱いは、加入している保険者や地方厚生局・審査支払機関の案内で確認する

暫定的対応の終了時期や細部の運用は、今後の事務連絡で補足・変更される可能性があります。窓口対応の最終判断は、最新の厚労省事務連絡および各保険者の案内をご確認のうえ行ってください。